ステキな音楽、ステキなネタを探して温故知新。今日の一枚はこちらです!
V.A. / The Smoocher Is Back
90年代にソウル、ファンク作品を数多くリリースしてきたフランスのレーベル、BIG CHEESE RECORDSからリリースされたコンピアルバムです。「なんだよコンピかよ!」とかいう声も聞こえてきそうですが、ちょっと待っていただきたい。これまで全くのノーヒント、孤独にディグってきている私にとって、コンピアルバムってめちゃめちゃありがたい存在なんですよ。
例えば一口にソウルっていっても、サブジャンルや年代でとんでもなく枝分かれするじゃないですか。そんな中でピンポイントでいちアーティストのアルバムを買ったときに外したショックは計り知れません。
その上メジャーなアーティストだとやっぱ高いんですよ。名盤名盤っていわれていても、自分の求める音とはちょっと違うかもしんない。いい具合にサンプリングネタにできそうなところがあったとしても、名盤だけにこすられまくってるネタかもしれない。薄給の私としては、それにパカパカ3~4000円も使うのはおっかないんですよ。
これを解決してくれるのがコンピアルバム。ジャンルに沿って曲がまとまっているから大きくズレない中で曲調に幅もあるし、メジャーどころのアーティストはもちろんその当時売れたけどガッツリ後世に名を残すには至らなかったアーティストの曲なんかも紛れ込んでいるかもしれない。ちょっとした宝探し気分にもなれて、総じて安価。それで収録アーティストで気になる人がいれば、次はそこに絞って買えばいいですしね。よい。よいです。
しかも今回ピックアップしたこのアルバムはフランスのちょっとマイナーなレーベルのコンピ。
ワクワクが止まらねぇですよ。
SIDE-A
A1 Gloria Scott / Every Time You’re Near Me
アメリカテキサス州出身のソウル/R&Bシンガー。74年発表のアルバム『WHAT AM I GONNA DO』からの1曲。この方、ザ・イケッツやシュープリームスのメリー・ウィルソンのバックアップシンガーとしても活動していたらしいんですけど、2022年に48年ぶりの2ndアルバム『SO WONDERFUL』をリリースですって。バイタリティがやべぇ。
イントロがもうループして使えそうですね。ド頭のドラムのフィルインもコスって使いたい。
二回し目のバースのフェイクっぽい歌いまわしもステキ。
A2 Sass / I Only Wanted To Love You
この人たち、めっちゃ情報少ないと思ったら、1976年に20TH CENTURY RECORDSと契約したもののシングル1枚リリースしただけっぽいですね。アルバムもレコーディングしていたけれどもリリースはされず。さぞ口惜しかろう。。
リードシンガーのFRED ROSSとギタリスト/プロデューサーのANDY“ANDRO”ERNSTを中心に結成されたファンク/ロック グループだそうです。 LIONEL RITCHIEやCOMMODORES、ESTHER PHILIPS、THE MAIN INGREDIENT、BRASS CONSTRUCTION、TOWER OF POWERなんかの大御所とも共演していたみたいですね。
メインボーカルさんの部分、何となくピッチをめっちゃ上げて使ってみたくなりました。
逆にコーラスワークはピッチとテンポをぐっと下げて重たくしてみたら面白い気が。
A3 Mystique / Fill You Up
Impressionsのリード・ボーカリスト、Ralph Johnsonを中心とする男性4人組ヴォーカル・グループMystiqueが、Curtis Mayfield設立のレーベルからリリースした唯一のアルバムからの1曲。
イントロのアコギだけのところとか、その後のストリングス、さらにコーラスが入るあたりまでイントロ部分だけで色々できそうですねー。
ストリングスワークが独特でいい感じです。ブリッジに入る直前あたりもいけそう!
A4 Ace Spectrum / Pick Up
ニューヨークの4人組ヴォーカル・グループ、Ace Spectrumの1stアルバム(1974年)からの1曲。バックの完成度に高い評価があるそうです。
これはエレピがいいですね!ちょっとこもった感じの音がめちゃくちゃ使いたくなります!
ちょいちょい入ってくるフルートが絡んでいる部分なんかも使いたくなりますね。
A5 The Isley Brothers / My Love Is Your Love (Forever)
なんとまぁ1957年結成以来、いまだに現役活動中の凄まじい方々の1曲。1950年代から2000年代まで6つの西暦10年代連続でビルボードのシングルチャートに登場した初のアーティストだそうですよ。さすがにお亡くなりになったメンバーもたくさんいるようですが、それでも現役って。。すんごい。
もうイントロをまんまお借りしてしまいたい!ベタにBoomBapな感じしか思いつけないですけど、センスある人がいじくったら大化けするんでしょうね。。
A6 The Checkmates LTD. / Got To See You Soon
Nancy Wilsonのバックアップでデビューした黒人白人混成のヴォーカルグループによる1曲。
あーめっちゃハットを16分でチキチキやってちょっとけだるいチルいアレンジとかしたら楽しそうです!しれっとドラムのフィルはさっと抜けそう。ブリッジ部分もいい感じにドラムブレイク的に使えそう。
SIDE-B
B1 Margie Joseph / Let’s Stay Together
アメリカミシシッピー出身の女性ソウル・シンガー、Margie Josephの73年3rdアルバム”MARGIE JOSEPH”から1曲。メンフィス・ソウルのレーベル「ハイ・レコード」のソウル・シンガー、AL GREENの同名曲のカバーです。
結構いろんな音がボーカルのバックで入れ代わり立ち代わり聴こえますね。
バース部分を適当に抜き出してチョップして組み替えたら面白そう。
B2 The Valentine Brothers / This Kind Of Love
Richard Evansプロデュースによりデビューアルバムを制作したアメリカオハイオ州の兄弟デュオThe Valentine Brothersが自主レーベルからリリースした2NDアルバムからの1曲。82年発表で、サウンドも80年代の香りが漂っております。
これはめっちゃピッチ落としてvaporwaveみたいな感じですかねー!なんかもうイントロからそうしてくれと言ってきているような感覚で聴いていました。
B3 Vitamin E / Sharing
Paul Smith、Dianca Thornton、David Gaardnerの男女混成3人組、Vitamin Eの唯一のアルバムからの1曲。Infamous Mobbが「Pull The Plug」で既にネタとして使っていますな。
最初のエレピとその後のホーンのキメのフレーズを使っているようでした。
なるほど、こういう風にトラックにしていくんですね。
B4 Erma Franklin / Open Up Your Soul
おや、Franklin・・・?と思ったら、Aretha Franklinのお姉さんらしいですね。
姉妹そろってめっちゃパワフルなボーカル!
これはフックのゴージャスなところをうまく使いたいと思いました!
ただめーっちゃごちゃごちゃしそうなので処理を上手にしないとカオスになりそうですね。
いつかトライしてみたいですな。
B5 Norman Connors / Sing A Love Song
Norman Connorsは元々ジャズ・ドラマーだったそうで、なんとアーチー・シェップやジョン・コルトレーン等とも共演歴ありとすごいお方。その後70年代には自身のグループを結成し、その中でも評価の高い’81年発表のアルバムからの1曲。
これはうまく調整してハネないでビート組めないかなーとか思いましたね。
ブリッジのベースのブリブリっぷりがいい感じなので使ってみたくなります。
B6 The Sandpeebles / I Just Didn’t Hear Me The First Time
最後にほんとに情報が少ないアーティストがやってきました。グループ名でググってもほぼ同名の映画の情報しか出てこず。何とか調べられました。
Calvin White,Andrea Bolden,Lonzine Wrightの3人からなるアメリカのヴォーカルグループだそうです。Discodsでも「典型的な一発屋」とか書かれてさんざんだなオイ。
イントロといいボーカルだけ残るバース部分といい、うまく使えそうな感じもします。
このアルバム、僕のコンピアルバム信仰をさらに加速させるようないい感じの楽曲群でホクホクです!
トラック作りに使えそうなところを意識して聴くようにしていますが、まだまだあかんなー。
うまく言語化できないんですけど、まだ「その一瞬の音の重なり」だけを意識していけないんですよね。一小節とかの固まりを聴いて、「あーここでループできそう」とか、そんな聴き方がメインになっちゃってます。これをもっと分解して一瞬のフレーズだけを使えるかどうか聴けるようになっていくと、また違ったトラック作りができるんでしょうね。
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